とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
けれど二択で迫られたら多分、『好き』だと思います
年末に、かなり文体にクセのある方の本を読んだ所為でしょうか。
すっかり引きずられてしまったようで、まだ抜けきれないようです。
因みにそれは、もりみとみひこさんです。やっとこさ読みました。
けれど。
興味を持ったからって、二冊連続で読むのに適した作家さんではありません。
強烈な文体に、すっかり捕らわれてしまいました。『囚』でなく『捕』で。
すっかり骨抜きめろめろなのではなく、掴まえられた感じです。
お陰でこっちの文体まで影響を受けまくってしまい、あわあわしてます。
そのくせ『仕方がない。もう一冊読もう』みたいに考えてしまってもう。
三冊読みましたが、まだ判断がつきません。
好みなのか違うのか、分からないのです。
ただ言えるのは、偏差値の高い男性を書かせたら天才的に上手い、ということ。
そうして難渋していくうちに、すっかり、言葉が錆びてゆく気がします。
錆自体は、悪いものではないはずです。むしろ好きなくらいで。
夕焼けを見て、咄嗟に言葉を組み立てることができませんでした。
驚愕しました。
色の触感があやふや。上手く描写することができません。
適切な言葉を、素早く取捨選択し、積み上げられない。
どうしたことでしょう。
きれいなものが、足りないのやもしれません。
美しいもの、きれいなものを見れば、体の内側はぷうわり満たされます。
それがもしや、知らない間に、欠乏症?なんて恐ろしい。
きれいなものが見たい。
もしくは、音楽が聴きたい。ああ、音楽でしょうか。音に飢えているよう。
頭から爪先まで。産毛の先端から肺の底まで。
とっぷり沈んで、埋もれてしまいたい。
音を。
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