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とまり木 常盤木 ごゆるりと

ひねもすのたのた

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あなた(チョコ)のためならお昼を控えることだって


はあ、やっとこさ体調良好と考えて良さそうです。
喉の痛みも微熱も去ってくれました。ありがとう健康。


なにせ本調子じゃないと、チョコも食べられませんしね!
不思議ですよねあれ。何なのでしょう。
普段ならちっとも問題なく、おいしく頂けますのに。
おなかにおもたい、ということでしょうか。
まあ確かに濃厚なのはおなかに残って「うおおお…」な時がありますが。
それでもわたしが、このわたしが、チョコに食指が伸びないだなんて。
元気になってチョコ食べられるよろこび。
ふふふ、おやつがフォンダンショコラという響きの快さ。いっそ陶酔感。
一個食べたらばんごはんがあまり入らなくなるという恐れを抱きつつ。
……体調良い時でしたのに、ばんごはん、お碗いっぱいとお汁で限界とは。
恐るべしフォンダンショコラ。でもたべます。

風邪がなおってからも、ちみちみ書いています。
二十八個目まで走行終了。もうすぐ二十台もおしまい。
お話百個、書こうと思うのなら、そりゃ書きたいものしか書きませんが。
次のものは、特に書きたいものなので、今から楽しみです。
ちょっと趣向を変えるので、苦戦しそうな予感がひしひしと。
それでも挑むのですよ。挑まないわけには、いきません。
今回アップするのは十七個目。まだまだ、先は長いです。
……そして三十台まで到達したら、二次創作もするのです。
またじわじわヴィクトリア朝関係が書きたくなってしまってもう。
せっかくなのでたべものもたっぷり含んで書きたいのです。
ギブミーあまいもの。そしておんなのこ。









『あなたの枕はちっとも艶めかない』

 鼻をすっぽり覆い隠す位置まで布団を引き上げて、そこから覗く瞳を少女は好奇心に輝かせる。
「ね、ね。小藤おもうんだけど、ぶーちゃんIIって、『ばく』なんじゃない?」
 妙に得意げな口調で言う幼子の、闇の中であってもきらきらとしたその眼差しは、窓の外で輝く星がそのままちりばめられたようだった。少なくとも、ぶーちゃんIIの黒いビーズの目には、そう映った。
「へえ、めずらしい名前を知ってるんだね」
「ご本に出てきたの!」
 話へよく耳を傾けるためか、ぶーちゃんIIは小藤へ更に近づくため、枕元へ転がってくる。もたらされた意外な名前に軽い感嘆を示すこぶたに、小藤は色んな温もりに包まれたまま、さも満足げに笑みを深めた。つい、今の時間のことなど忘れて、饒舌にもなってしまう。
 いかにして、この煌くような答えに至ったのかという過程について、少女は生き生きと語りだす。
「だってね、ご本が言ってたけれど『ばく』は、悪い夢をたべてくれるの。ぶーちゃんIIがきてくれるまで、小藤、ねるのがこわかった……耳が痛いもの」
 話すうちにこれまでの夜を思い出してか、小藤がそっと目を伏せる。けれどそれも一瞬のことで、すぐさま元気に顔を起こすと、夜の闇さえ晴れ渡りそうに、見開かれた瞳を細めてにっこりと微笑む。視線を向ける先の相手に対する、圧倒的な信頼が根となって、その笑顔を支えていた。
「でも、ぶーちゃんIIがきてから、もうねるの平気! もしねむれなくたって、こわくないの! そんなのは全部、ぶーちゃんIIがたべてくれたみたい。なくなっちゃったもの。だから、きっと、『ばく』なんだわ! って小藤わかっちゃった!」
 とんでもなく重大な、世界の秘密を自分の力で見つけ出せた喜びが溢れているのか、小藤はかっきり布団に包まれた足を内側でぱたつかせる。嬉しくてならない、とばかりに顔をほころばせる少女に対し、こぶたは何やら考えこむ風情だった。
 うきうきと胸を高鳴らせている小藤に、ころ、とぶーちゃんIIは更に転がり寄る。

「うーん、悪い夢の夜に、夢を食べようと、ばくは来るんだよねえ」
「そうよ。ご本が言ってたわ」
「じゃあ、良い夢の夜には、会えなくなっちゃうね」
「あ。」
 ぽつりと持ちかけられた、全く考えもしていなかった指摘に、短い一言を残して思わず小藤は声を失った。余程、思いもよらないことだったのだろう、目も口も開けっ放しになってしまった少女へ向けて、更にぶーちゃんIIは考え深げに続ける。
「それでもって、悪い夢の夜は、夢を食べにこなくちゃいけないから、眠った後にしか来られなくなりそうだ」
「う……」
「目を開けて夢を見るのは、とても難しいことだよ。普通の夢は、寝てから見るものだから」
「え…ええー…」
「どう頑張っても、会えなくなっちゃうなあ」
「う…うーん……ぶーちゃんIIは『ばく』だとおもうけど……もしそうなら、もう会えなくて…でも小藤しらべたのに…でも会えなくなっちゃうのはいやで……」
 せっかく捕まえたぴかぴかの解答が、瞬く間に錆びついてしまったように、輝きを鈍らせてしまった。小藤は、虫取り網を手にしたまま、途方に暮れて立ち尽くすような心情だった。
 答えを成立させるには、ぶーちゃんIIは『ばく』でなければいけない。けれど『ばく』であるのなら、もう夜に訪れ、こうして話をすることができなくなってしまう。でも答えは……と、考えれば考えるほど、小藤は深みにはまってゆく。以前と同じように、うんうんと唸り声を上げながら緩やかに夢へと落ちてゆく少女を見守りながら、随分と悩ませてしまったなあ、とぶーちゃんIIは微苦笑を浮かべる。
「今度、知り合いのばくに、話を聞いておくよ」
 ばく候補のこぶたは夢を食べられない代わりとばかり、責任を持って、眠る少女に約束した。
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