とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
開いたページを盃に、言葉を喉へさらさらと
「好きな詩を一つ挙げよ」「好きな名文を挙げよ」
と、言われて。すぐさますんなり出てくる方は凄いなあと思います。
いやその、わたし浅学なものですから。咄嗟に詰まってしまうのです。
ちょっと悩んでからでないと、挙げられないです。
「好きな本を一冊選べ」と問われても同様。
こういう問いをみると、いつも、もっと勉強しなきゃと思います。
小さい頃は、大人になったら万葉集読破してるものだとばかり。
ええ、まだ一割くらいしか読めてませんよ……。
詩や短歌の類、たっぷりしっかり吸収しなければです。
たまに読む時は気に入ったものをメモするようにはしていますが。
それでも完全に暗記しきることは、なかなかできないのですよね。
先に挙げた三つの問い。
自分でも、納得のゆく答えはなかなかみつかりません。
当座をしのぐように、そろそろと答えることはできましょうが。
「これをくらえええぇぇ!」と力強く投げつけられる答えは。まだ。
こんなに美しい言葉はない、と思う言葉が、即座に出てこないのは。
わたしの心がひどく貧しいということなのでしょうね……。
でもゼノの言葉ならすらすら出てきます。どういうことなの。
ゼノだから仕方ないですね。なにせゼノですからね。
そしてわたしゲームにおいて一番好きな台詞はエリィのですしね。
あんな台詞を言える彼女だからこそ、わたしはいまだにこうも。
「自分が不安から解放されたいからあなたが必要なんじゃない。あなたを愛してるから、だからあなたが必要なの」
メモにはたくさんの詩や歌や名文が記してあります。
けれどメモを見ずに全てを暗唱することは難しいのです。
探す言葉を自力で自分の中から引っ張り出すことができないのなら。
それは、身についていないということ。
自分のものにできていない、血肉になってはいない。
ならそれはまだわたしのものではない。
お話を書く時だってそう。
相応しい適切な言葉を考える時、意味を精査する以外で辞書を引くこと。
それは個人的にだめだと考えています。
自分の内側で表現を探しているのに、外側に言葉を求めるのは。
全ては自分の言葉で。内から、中から、掘り起こすものと。
早い話が「外部記憶装置不可!」ということです。
自分の中から抉り出して「うぅおりゃあああああぁぁぁ!!」
って、ばちこーん叩きつけるのです。画面に。文章に。
だから書くためにはきちんとした内側への蓄積が必要。
積み重ねて積み重ねて。だから、もっと、勉強を。
日々精進なのです。ええつまりいつものことです。
がんばるぞー。おー。
因みに。
上でくそえらそーなルールを自分で定めておきながら。
わたし自身、常に守れてはいないのですよ。
色の名前については、本を見てしまうことが多々です……。
特に初めて書く人物は、色を決めてから、かかることが多いので。
そして色は人物固有にしたいので、かぶらないようにしようとして。
で。そうなると、必然的に色名ストックが手持ちだと枯渇しがち。
本という名の外部記憶装置と首っ引きになって、試行錯誤。
ああでもないこうでもないと頭を捻っているのです。
最近だとゼノブレは苦戦しましたね……。
シュルクの目の色は本当に悩みました。
金髪碧眼は描写に一番困るのですよ!
でも悩んで、本とにらめっこしたりぼそぼそと相談を重ねて。
ようやっとみつけた名前には、大変満足しています。
本当は、これらのことを全て一人ですべきなのですが。
まだまだですね。
ああ。本をのみこんで、中身をのみほすことができたなら。
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