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とまり木 常盤木 ごゆるりと

ひねもすのたのた

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二月大生誕祭第七夜

題名が決まらなくてうおおお。
いつになったら、ちゃちゃっとつけられるようになるのでしょ。


しかも、きちんと、ぴったりな。
綺麗でかっちりして意味のはまる題名て憧れます。
その上趣味が良かったりするのですよね。
こればかりは個人の資質なのでしょうか。
訓練してどうにかなるものなら、良いのですけれど。

本日もそういうことをしみじみ考えこむ題名つけ作業でした。
ああもうどうしてこうきっちりすちゃーんとしないのか。
でもこれで、残りは一つ…もう一つで全部に題名が……。
へなちょこけいかくに関しては、題名つけにちょっとだけルールが。
元ネタの歌の題名を一部利用してつけようとしてます。
絶対、というわけではありませんけれど。
極力関連づけようとしています。
そして最後に残ったのはマニキュアグルーヴです。
……どうしましょう。
続きにお話置いてますが、その前に拍手のお返事です!


>十一日

・やっとクリアしたのですが~の方

クリアおめでとうございます! おめでとうございます…ですが……。
……やっぱり前作を知っていると、どこかもにょもにょしてしまいますね。
戦闘はしっかりしてますし、戦闘前後会話も良いのです。
けれどコラボ要素をそこの会話のみに頼りきりで。
ちっともストーリー上でコラボしてくれないので、だんだんしょんぼりです。
感想をしっかり書いてのサイトさんもあるのですね。今度調べてみます!
今月後半には、ぷくーんのお話もアップする予定ですので。
ちょっとでも楽しんで頂ければと思います。
お言葉、ありがとうございました!

『待ち合わせはパヴェ・デ・ニサーナ』(現代。ココア組)


「うーん…」
 全身を難なく映すほど大きな鏡を前に、エリィは難しい顔で考えこむ。真剣そのものの面持ちで、眉間に皺を寄せてまで自分自身と対峙している彼女は、臨戦態勢さながらだった。しかし、ニサン大聖堂にある一室の中で剣戟が響くわけもなく、また業火が踊ることもない。彼女が平和的な攻防戦を繰り広げる相手たちは、周囲の卓やベッドの上などに、くたりと散らばる、目にも鮮やかな彩りを誇り豊富な素材に恵まれた、数多の帽子たちだった。
 リボンのついた麦わら帽子で澄ましてみせて、秘密を含んで青くくすんだベレー帽は斜に構え。面白がってつやつや光るシルクハット、寝るには早いナイトキャップ、じゃじゃ馬気分でカウボーイハット、鹿撃ち帽にはパイプが欲しく、それから――
 ふと何気なく手にしたとある帽子に、彼女は「あ」と紫苑色の目を見開き、即座にその聡明な頭脳をざっと素早く回転させるや、さも愉快そうに悪戯っぽく微笑んだ。別に内緒でも何でもない、エリィが一人で開いているささやかな仮装大会の会場へ、部屋の扉を軽く叩いてからフェイが入ってきたのは、そんな時だった。

 扉を開けるや視界に飛びこんでくる、色とりどりな帽子の山とも海とも呼べるものへ、フェイは思わず短い感嘆の息を漏らした。驚きよりも、感心が勝ったらしい。普段から絵筆を振るい、色彩を操る彼にとって、眼前に広げられた華やかな彩りは、目を引き喜ばせ、心すら浮き立たせるものだった。
 けれど咄嗟に彼を吹き出させると同時に破顔させたのは、帽子の山河の只中で、選び抜いた帽子を片手に、もう片方の手を腰に当て、妙に気取った姿勢でいるエリィの姿だった。
 フェイがやってきたことに、彼女は何ら驚いた様子がない。一人でいた時と立ち居振る舞いは変わらず、姿見の前で媚のないしなを作って面白がっている。ただ微笑を向ける先が、はっきりと鏡の外へ移ったことだけが、唯一にして最大の違いだった。さも楽しげに煌めく眼差しを寄越されて、ついついフェイも笑みを深める。
「何を?」
「マルーさんがね、薦めてくれたの。帽子も服と同じで、あれこれ選ぶのが楽しいもので、その上お手軽に気分転換だってできる、優れものだって。私はそんなに帽子って被ることがないものだから、試してみたらどうかって」
 ゆったりと放たれた、動詞も名詞も何もない、短すぎるフェイの問いへ、エリィは立て板に水とばかりに答えてみせる。その言葉を放つのと一緒に、くるり、とフェイの前で軽やかに回転してから綺麗に真正面で停止すると、暁色の長い髪が鮮やかな軌跡を描いて揺れた。
 その典雅なさまに目を細め、フェイは軽く頷いて辺りを見渡す。
「成る程。それで、この山だか海だかが詰めこまれた一室を、借り受けたのか」
「そう。マルーさん珠玉の、帽子コレクション。部屋いっぱいって、凄いわね」
 エリィが軽く指差した部屋の奥には、儀式に用いる様々な道具を収める棚を再利用したものなのだろう、ずらりと帽子の並べられた一角がある。これらを硝子のショウケースへ飾ったならば、ちょっとした店が開けそうな数だった。
 ウォークインクローゼットなんてしゃれたもの、私たちの家には縁がないものね、とエリィは小さく笑う。決して羨んでいるのでなく、純粋に面白がっているらしい。こぢんまりとしたふたりの家には、勿論広さ的な余裕もないが、そもそもそこを埋めるほどの服もない。ごくささやかで満ち足りているのだから、最初から必要としていないのだった。
 彼女に示され、フェイもまじまじと帽子棚に見入る。マルーが長年に渡って収集してきたらしい多数の帽子たちは、彼女自身が譲り受けてきたものも含まれているため、その年季や物量もあって、実に壮観な眺めだった。
 しかし、宝石が織りこまれているだとか、選り抜きの絹で仕立てられたとかいう、豪奢なものはごく少ない。金糸銀糸などで煌びやかに装飾されたものも、幾つかはあるが、恐らくは大教母にと献上されたものなのだろう。いかにも扱いに困った様子で、手に取りにくい奥へと押しやられている。親しみやすい手前の位置にあるのは、素朴な綿で手縫いにされたものや、最新流行ではないがやや凝った意匠が効いたものや、風変わりな飾りがつけられたもの、中には露店などで扱うようなものさえある。
 ありふれた中にも、作り手の思いが込められたものや、面白い発想が光るものこそ、マルーの目には何より輝いて映るのだろう。少女が小さな手で慎重に選び、一つ一つを慈しんで扱ってきたさまが、その並び方から見て取れるようだった。
 そんな大切な宝物を笑顔で開放してくれたマルーの好意が、ふたりにはありがたく、また何だか面映ゆいほどだった。先程から、やたらエリィがはしゃいだ様子でいるのも、嬉しさと感謝が入り混じって、何だか照れくさくなってるからなのだろう。今も爪先立った足を軸にして、緩やかに半円を描く彼女に、フェイはこっそり笑みを浮かべる。
「で? 気に入りのものは、みつかったのか?」
「ええ」
 フェイの問いを待っていた、とばかりに、彼女はさっきから手にしていた白い帽子を、得意げにかざす。普段から見事に長い髪をそのままに、帽子など滅多に使わない彼女には、マルーの収集品たちは何もかもが珍しい。しかし、あれこれ試して楽しんで、最終的に一つだけを選び取った。つばを挟んでいた二本の指が、ふと外されて、放り出されるかと思われた帽子は、伸ばされた人差し指へすぐさま絡み、くるんと回る。ついさっきの彼女と、お揃いのようだった。
 唇を優美な弓の形に引いたまま、エリィは手近に置いてあったリボンをおもむろに取ると、暁色の髪を根っこでざっと束ねてしまう。その手際の良さにフェイが目を見張っている間にも、彼女は更に髪を折りたたむと、豊かな髪をまとめて持ち上げ、その上からすっぽり帽子をかぶってしまった。たっぷりとした八枚の布を縫い合わせて作られた、キャスケットだからこそできる芸当と言える。それでも、ついさっきまでつややかに輝いていた暁色の洪水が、忽然と隠れてしまうというのは、どこか魔法じみてフェイには感じられた。
 呪文も唱えず魔法を起こし、長い髪をすっかり収納してしまったエリィの姿は、いつもと随分趣を変えていた。それを彼女は、心底から面白がっているようだった。
「どう? なかなか新鮮でしょう?」
 ずっと繰り返していた爪先立ちはこのためだったのだと、彼女は渾身のピルエットを決めると、芝居がかった仕草のまま、ふわりとしたスカートの裾の代わりに帽子のつばをつまんでみせる。そして更に相手を惑わすように、はねっ返り娘じみた一筋縄ではいかない笑みを浮かべ、フェイを上目遣いにした。どんな評価を彼が下すか、楽しみながら心待ちにしている。
 確かに、彼女が選んだ帽子と、その帽子が生む効果へ、フェイは感心したようだった。しかしほんの寸の間、目を見開いて驚きは表したものの口は噤んだままで、表情もすぐさま穏やかな笑みへ移行し、それっきり崩さない。とはいえ妙に、にこにこしたままで意見を一つも言わないのは、彼が何かを隠しているからだと、エリィもすぐさま感づく。ただし恐らくそれは、悪いものではないとも察するけれど。
 長い髪を覆い隠した今の彼女なら、つばを引っ張り顔つきを見えにくくし、衣装も体の線が分からないものに変えてしまえば、もしかすると中性的な少年に見えるかもしれない。そんなことを思わせるすばしこい身のこなしで、エリィはずいっとフェイに迫る。別に相手を脅すわけではなく、ただどんな言葉を秘めているのかと、駆け引きへ興じるように口の端を上げながら、フェイへ詰め寄る。
「な・あ・に?」
「……せっかくエリィが気に入ってるのに、悪いけど、俺はちょっと寂しいな」
「寂しい?」
 下から試すように見上げられながらも、フェイは余裕を滲ませた態度で彼女を受け止める。一言ずつ、丁寧に選びながら寄越された彼の返答に、すぐさま意図を把握できなったエリィが、素に戻ってきょとんとした顔でおうむ返しにする。ぱちくりと見開かれた紫苑の瞳が合図だったのか、フェイは悠然とした動作で手を伸ばすと、キャスケットのつばの下から零れている髪の一房を、上向けた手の平で恭しく指し示した。
「俺は、エリィの暁色が好きだから」
 途端。白魚の指が帽子の縁へかけられ、キャスケットから解き放たれた暁色の長い髪が宙に渦を巻いて翻り、結んだリボンすら押し流す本流となって溢れ、二本のしなやかな腕が全身を使って彼の首に投げかけられたのは、そのすぐ後のこと。


 うららな午後の陽射し差す露台で、たまには帽子も良いでしょう? と、二人のお茶会を楽しみながらマルーがにこりと問いかける。それにエリィは満足げに頷くと、機会と場を与えてくれた友人に礼を述べてから、ええこれからは帽子も色々もっと試してみるわ、と微笑みながら返す。ティーカップをそっとソーサーへ戻す彼女の頭には、キャスケットが泰然と構えている。勿論下に、暁色の長い髪を、存分に流したまま。
 桜色の唇に、ひょいと小さなチョコが放りこまれた。
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