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とまり木 常盤木 ごゆるりと

ひねもすのたのた

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やりたい放題、常のこと


ちっとも仁さん書けてませんぎゃあー。
わあ、できるのいつになるかしら。


でも、「そもそも投げた時点で何割書けてたの?」と問われれば。
「ええと、六割です。途中でもうちょい手をつけたので、現時点で七割」
と答えます。
次にくるだろうお言葉は「はよ書けよ!」かと思われます。
いやでもその…テンションの維持が……その……。
わやわや苦戦しすぎなのです。
あの頃はまだ、今よりも構成を考えずに書いてましたので。
今だって大概ですが、以前はさらにひどい。
何事も計画立ててじゃないといけませんね。ええ。
ややこしい所は越えているので…あとはなだらかな、はず。
オチも分かりやすいですしね。
拙宅の仁さんとシオンさんがなぜ仲良しなのか。
その原因となる、最初のお話なのです。
基本的に新世界は特にやりたい放題書いておりますが。
ここの説明、してませんもんね。早く仕上げたいなあ。
でも自分用のエプロンも作りたいなあ。長いリボン買いましたし。
ああ邪念が。いけませんいけません。

お茶を濁すわけではありませんが、続きにサクラ5のお話を。
何かもう色々と血迷って困惑して勢いがついて開き直った末の。
特にネタバレなどは含まれておりません。ただみんななかよし。
そんな習作でよろしければ、続きからどうぞです
すばるさんも新次郎さんも好きですが、星組さんはみんな好きです。
リハビリもさせて頂いて、ありがとうございます、すばるさん。
テーマは……そうですね。
『アルカイックスマイル』と『たのしい、うれしい、おもしろい』
あと『幸せ』でしょうか。
もうクリスマスすばるさんがあまりに幸福そうでたまりません。
なので、どうかすばるさんには幸せでいてほしいのです。
おもしろい、たのしい、いとしい人々や場所に包まれて。
皆しあわせになってください紐育組……!

『古拙的にをかしゆかしく』(サクラ大戦V。昴さんと新次郎さんと…)


 稽古に、準備に、整理整頓。華やかな舞台が繰り広げられる時間でなくとも、シアターは常に忙しく回り、賑やかに躍動している。
 そして勿論、舞台の下でも日々、台本なしのドラマは展開する。


 楽屋で台本に目を通していた昴が、ふと思い出したように口を開いた。
「大河。この後、少し出かける用事があるんだ。つきあってもらえるかい?」
 顔を上げ、同じ室内で不要な道具類を集めていた新次郎に目をやると、その拍子に一筋のほつれもない真っ直ぐな髪がさやりと揺れた。
 木箱を持ち上げようとした矢先に声をかけられ、それでも気を悪くした様子は一切なく。お人好しと評判の若い隊長は、くせのように微笑し、快く応じる。
「はい、分かりました。ただ、仕事が一段落してからになりますけど……それでも良いですか?」
 行き先や目的などの詳細を訊ねもしないのは、それだけ相手のことを信頼しているからなのだろう。
「ああ、構わないよ」
「ありがとうございます! じゃあ、急いで片付けますね!」
 台本を膝に伏せ、鏡台に頬杖をついて鷹揚に答える昴に、なぜか頼まれたほうの新次郎が礼を言うと、勢いよく木箱を持ち上げようとした。いつも何にでも、この新米隊長は全力で挑もうとする。彼のよく口にする、粉骨砕身、という言葉は新次郎の性格や生き様を、端的に分かりやすく表現したのものなのやもしれない。
 そんなことを思い、おもしろい、と感じながら昴は目を細めた。
「ただし、衣装はドレスで」
「ええっ!?」
 知らない者が見れば、能面のように表情も感情も読み取りづらい面で、昴はさらりと爆弾を投下する。何でもない会話のついでのように、とんでもない注文を思いがけずつけられ、動揺のあまり手にした木箱が、どちゃんと音を立てて床に落ちる。どうやらそれは新次郎の爪先も巻きこんだらしく、痛いやら驚くやらで、なかなか言葉が出てこず、のけぞりながら必要以上に慌てふためいている。それを見て、ああおもしろい、と昴はこっそり一人で興がって、ますます目を細める。どこからともなく取りだした愛用の扇を、閉じたまま、そっと自身のおとがいに当てた。
「何を驚く」
「驚きますよ、そりゃあ! なんでまたぼくがドレスなんですかっ!?」
「昴は覚えている……前に大河と出かけた時は、僕がドレスだった、と」
 やや痛みもひいてきたのか、ようやく新次郎が反論に打って出た。が。その鼻先から冷静な視線ですぐさま叩き落され、うっと言葉に詰まって怯む。そもそも、まだ目元に涙が滲んでいるままでは、一挙手一投足に風格と威圧感を宿す昴に太刀打ちできるわけもない。
「たっ…確かに、この前は、昴さんがドレスで……凄くきれいで……」
「……ありがとう」
 言っていて思い出してきたのか、やや頬に朱をさしながら新次郎が目をそらすも、昴のほうは素っ気ないほど淡泊だった。ただ、いつの間にか扇が大きく開かれ顔の半分を隠していたけれど。そして昴のほうもまた、何かしら重大な思索へ耽るようにして、さりげなく視線を虚空へと投げた。
 しかしやがて本来の目的を思い出したのか、はっとした様子で再び新次郎が反駁を試みる。相手の堂々たる態度に負けないよう、理論武装を心がけ、声を張る。
「でもその更に前は、ぼくがドレスだったじゃないですか!」
「ああ、その通りだ。つまりは、交代制だな」
「こうたいせい……?」
「そうだ」
 渾身の突貫も、しなやかな舞いでさばかれたように、あっという間に勢いを失う。しかも新次郎自身、昴の短い言葉でいなされたことに気付かず、ついうっかり問い返してしまう。乏しい説明に意味が咄嗟に飲みこめないのか、きょん、と目を見開く新次郎を前に、昴は扇を軽く振り、ぱちんと閉じた。足を組み直し、いつもの泰然としたさまに薄く笑みを刷いてみせる。それはどこか、ほのかに蠱惑的なものを含ませていた。
「僕がドレスなら、君がスーツ。君がドレスなら、僕がスーツ。お互いに役割を交代しながら、出かければ良いじゃないか」
「じゃあ、昴さんが男物だけじゃなくって、ちょくちょくドレスも着てくれるってことですか?」
「勿論。昴は約束する」
「ええっとぉ……」
 昴からの提案に、新次郎はあからさまな思案顔になる。恐らくは、よく忘れられがちだが、士官学校飛び級且つ首席卒業であるその優秀な頭脳の中で、極めて難解な問題の解を求め、議論を戦わせているのだろう。単純にいうと、極めて素朴な利害の大小を天秤にかけているのだろう。昴のドレス姿が見られるという利、自らがドレスを着なければならないという害。果たして、どちらを優先するのかという。
 それはほどなく、解き明かされ。ゆらゆらと頼りなく揺れていた、秤の目盛を指し示す針は、かくり、と片方へ落ちた。
 唇を真一文字に結ぶと表情もきりりと引き締め、瞳に強い意志の光を綺羅星のごく宿して、新次郎は思わず敬礼さえ決めながら高らかに宣言する。
「了解しました! よろしくお願いします、昴さん!」
 流れ星が自身の掌に落ちてきて、昴の口角が目に見えて上がった。
「途中で退かないね?」
「勿論です! 侍に二言はありません!」
「よく言った大河新次郎。それでこそ、僕らのポーラースターだ」
 新次郎を見上げたまま満足げな笑みを浮かべて立ち上がると、昴は一瞬目だけを動かして、ちらりと楽屋の扉を見やった。しかしそんな相手の様子へ一向に気付くことなく、新次郎は昂揚感を隠しきれない様子で、うきうきと状況を楽しみ始めているらしかった。朗らかに表情を緩め、やや浮足立ってさえ聞こえる声音で念を押す。
「ただし! 次は必ず、昴さんがドレスですからねっ!!」
「了解した」
「待ちな。あんたたちの理論は何かがおかしい」
 ほぼまとまりかけた交渉が、よく通る声で、岩をも砕くように打ち破られる。閉ざされていたはずの空間、そこに漂っていた空気を鋭くばっさり空気を切り裂かれ、新次郎は飛び上がるほどに驚いて振り返る。一方の昴は先程から気配で察していたため全く動じず、悠揚迫らぬいつもの態度で、楽屋の扉付近に佇む面々を迎えうつ。
 楽屋の入口近くで、腰に手を当て眉間に皺を寄せ、仁王立ちする敏腕弁護士の姿を目にし、新次郎がすっとんきょうな声を上げる。
「さ、サジータさん!? いつからそこに……」
「シャーラップ、新次郎! あたしは昴に言っている」
「何か問題でも? サジータ」
「大ありだ!」
 余裕たっぷりに構える昴へ、サジータは更に苛立ちを募らせたのか、軽く歯噛みする。しかし引くつもりなど、あるわけもなく。商売道具でもある弁舌を十二分に活用し、正面から勝負に出ることを速断した。目前でこれから繰り広げられるだろう丁々発止に、止めきれず新次郎がおろおろするのに目もくれず、サジータは腕を振りかざすお得意の姿勢で強敵へ論戦を挑もうとした。と。
「昴さん、ずーるーいー!」
「しんじろー、すばるとゴハンたべに行くのかー? じゃあリカもー!」
「あらあら、稽古場にいらっしゃらないと思いましたら……」
 扉に隠れて待機していたらしい、他の星組隊員たちが、我慢できなかったのか一気に室内へなだれこむ。ジェミニは不服そうに頬を膨らまし、リカはわけも分からないままひとまず元気に参加しようとするし、ダイアナはそわそわしながら頬を染める。
秩序も順番もへったくれもない、わあわあと賑やかな抗議の嵐に、新次郎は収拾をつけようとあたふたする。
 そんな中、ちっとも収まりそうにない平和な騒動を横目に、ことの元凶である昴は落ち着き払ったもの。捕まえかけた流れ星は、瞬く間にこの手から零れ落ちていってしまった。けれどそれを不快に思うことはなく、いっそ、ますますもっておもしろい、と昴は思う。
 扇を半開きにすると、音もなく唇に添える。騒々しく、調和の取れていない、この町の縮図じみた室内の空気を胸いっぱいに満たすと、ややぎこちない古雅な微笑を灯した。
「昴は思った……。一粒で二度おいしい、と……」


 この後、星組隊員たちの熾烈で平和な言い争いが戦わされた結果、全員でごはんを食べにいくことが決定した。そもそも途中で何が一番の問題だったのかが、昴の周到にして巧知極まる誘導によって、見事にそらされていったためでもある。
 つまるところ、いつものと同じ賑やかな食卓をテラスで楽しみながら、むしろ一粒で三度おいしい、と昴は一人、前言を訂正していた。




おまけ:

新「あれ? 昴さん、用事には行かなくて良かったんですか?」
昴「昴は思った……。最初から用事など、あるわけがない……と」
新「ええっ!? またこのパターンですか!?」
昴「学習しないな、君は」
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