とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
ハイスピードで高鳴る胸はヒドゥンモードにサバイバルなそれ
動揺して。動揺して……はた、と気づいたこと。
これは、もしかして、『動揺ではない』?
動揺でないとしたら、現在大絶賛うろたえ中なわたしは一体どういうこと。
鼓動が胸より少し高い位置へふわりと浮いているような。
指先が言葉を求めて走り出したくて地団駄踏んでいるような。
体の肺から背中側までみっちりと重みのある大気に満たされているような。
こんな……。
『どきどき』、している?
キュンキュンするほど素直でなくて。
きゃあわあはしゃげるほど無邪気でなくて。
床でのた打ち回るでなく、深い吐息と共に瞑目しながらベッドへ沈む。
そんな、どきどき。捻くれておりますね。
酷い不安や、恐れはありません。以前に感じたようなものは。
だって、声が聞こえますもの。
わたしが何より信じた、誠実で、真摯な、監督のお言葉。
きちんとご自身のお言葉で語られた、声が届いています。
ならば怯えることはないのです。
『あの時』は、何も聞こえなかった。
聞こえても微かすぎるそれは、頼りとするには到らなかった。
むしろいたずらに、じわじわと侵食してくる不安を助長するばかりでした。
けれど今回は、違う。
もう、あんな目には、遭わない――
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