とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
泡のないきらきらに見えるもの
友人がハチクロ全巻貸してくれました。
途中までは立ち読みで知っていたのですけれど。通しては初めてです。
因みにわたし火の鳥全巻を立ち読みで完走しました。
あとブラックジャック全巻も立ち読みで制覇しました。
友人からは『鬼や』と言われました。
反論のしようもありません。その節はありがとうございました学校生協。
あれですね。長編の立ち読みは、腰にきますね。
足にもくるのですが、あんまり長いこと立ってるので、腰が。
ちょっと捻るとずごきゃばきゃあ★と、人体としておかしい音がしたものです。
で、ハチクロ。読破しましたー。貸してくれてありがとう紺堂嬢。
読んでる間や、読み終わってから、ぽわぽわ思い出すことがあれこれ。
そういえば以前…いもうとぎみとハチクロの話をしたことがありました。
『ねえさま誰が好きですか?』と問われて。
わたしは咄嗟に、はぐちゃんと答えたのです。
そしたらいもうとぎみ、少し唇を尖らせるようにして、『えー』って。
『だって、はぐちゃん天才じゃないですか!』
――今なら、あの言葉の意味が、もっと身に染みて感じられます。
ああ。確かにはぐちゃんは天才です。天才ですとも。
だから今のわたしなら、同じ問いを受けて、答えを変えるのでしょう。
『竹本くん』って。
あの子がいとおしくて、抱き締めたくて、それが意味のないことと知る。
しんみりしたり、泣いてみたり。
色んな感情でぐるぐるしながら読んでおりましたら。
何の脈絡もなく、あることを思いついて、ひとり遊んでいました。
遊びと言うより、占い?そう。『ラムネ占い』とでも申しましょうか。
壜のラムネが、ありますね。中にビー玉の入ったやつ。
きれいですよね。あれ。ビー玉ぐわぐわして。
じゃあ、どうされます?
あのビー玉を。
ラムネ壜を前に、どんな行動をするか?それがラムネ占い。
色々考えて遊んでいたのですが。
ある時ふっと、キャラに当てはめてはどうかと思いつきまして。
そっちでもあれこれ遊んでみると、なかなか結構楽しいですよ性格が出て。
例えば、フェイなら。
壜の中でビー玉がしゅわきらしていて、それをきれいだと思う。
するとすかさずスケッチブックを取り出して、黙々と写生。
この場合、得物は色鉛筆のが良さそうですね。
静穏そのものの時間と空間に、しゃっしゃっ、と色の走る音がする。
迷いもせず。真剣そのもの。紙と壜の間で、何度も視線を往復させて。
描いて。描いて。うつくしいものを、写し取って――
完成すると、薄く笑って壜を手に取り、腰を上げる。
きれいなものふたつ、彼女へ見せるため。
ついでにエリィなら。
珍しいものを手にして、目をぱちくり。
けれどすぐに、きらころしているビー玉がきれいだと思う。
一瞬にこりとしてから、すぐに真剣な面持ちに切り替えて、壜とにらめっこ。
この壜の素材を考えると、どうやって取り出すのが最善かしら。
この壜の形状を考えると、どうやって取り出すのが効率的かしら。
ユーゲント出身の頭脳をフル活用して、考えて、考えて。
すると、ふとした拍子に、壜に入っているからこうもきれいなのでは?と気づく。
ふう、と吐息を一つ。知らず知らずに強張っていた肩の力を抜いて。
にっこり微笑むと、壜を胸に抱いて、軽い早足に。
きれいなものひとつ、それと新たにみつけた閃きをひとつ、彼に見せるため。
いかがでしょう?
貴方の好きなキャラでしたら、どんな風にするのでしょう。
そして、貴方ご自身でしたら、どうされますか。
わたしなら――
考えなしに、思いっきり地面に叩きつけて壜を砕いて。
砕いてから壜もきれいなことに気づいて、あわあわします。
けれど、もう元には戻りませんから。
最初から望んでいたビー玉を手にして。
それから、一つ、少し大きめな壜の欠片も拾って。
ふたつまとめて、きれいなもの入れにいれておきます。
真ん丸いきらきらみどりと、不恰好なぎらぎらみどり。ふたつ。
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