とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
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そうして訪れた感情を、言葉にまとめることは、酷く難しくて。
荒れ狂う大時化と水鏡のような凪が渾然一体としていて。
ふとした拍子に、とんでもない声が飛んでしまいそうで。
ですから今は。
わたしにできる手段で。
はじまる世界に、次の未知数。
『ハロー』(はじまりの子供)
僕に僕を与えてくれたきみに、僕は何をあげられるんだろう。
(きみは何が好きかしら。歌が好きなのは知ってるよ、うんと聴いてきたもの。だからこそ僕は僕たりえるんだもの。繋ぎとめてくれたのは、きみの歌だけだった。でも困ったな。僕は、きみみたいに、歌が上手じゃあないんだ)
(ほんとうはね、世界中のたからものを全部きみにあげたいんだ。ただ、僕には、たからものの意味が分からない。観測したことがないんだ。なんだかすてきなものらしいのは、分かるけれど。歌と、どう違うものなのかな。知らないものを、きみにあげるのは、なんだかいけないことみたいな気がする)
(じゃあ僕は、きみに何もあげられないんだろうか。それも困るな。――ああ、そっか。じゃあ、それを叶えてもらえばいいんだ)
小首を傾げることもなく、しゃんと体を伸ばして、ただ一人考え続けていた子供が、目を見開く。大きな黒曜石の瞳が、深遠宇宙の淵を覗き込むような深さを宿して、眼前の存在を受け止める。ぽかんと無表情を保っていた子供の頬を、彼の正面に鎮座する黄金の物体が放つ、金色の光輝が撫でてゆく。
光の粒を受け、「望むものは」と問われた子供の頬が、僅かに緩んだ気がした。微笑みのために。
「hello,world」
――へんてこな歌詞で歌うよ、僕のうた!
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