とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
わたしのお城にさようなら
昔話をいたしましょう。
もう、年数も、ろくにおぼえてはいない、昔話を。
お久し振りでございます。もえぎでございます。
わたしのサイトが消えるまで、一ヶ月を切りました。
語り始めたら、それこそなかなか終わりそうにありませんので。
こうして、ブログに書いてみることに致しました。
小さなサイトです。ずっと、荒野の辺境を自称しておりました。
それでもわたしにとっては、お城でした。
大切な、ささやかな、わたしのお城。
その消滅。見届けようと思います。
個人サイトが過去の遺物と、嘲笑の対象になったのはいつからでしょう。
SNSが発達してからでしょうか。
まあ、そこらへんの年代特定にはさして興味はありません。
ただわたしは、そういった声がとてもいやでした。
そう仰る方々にとって個人サイトとはその程度のものだったやもですが。
あんまりいやすぎて幾度となく消そうかと思い、踏みとどまりました。
わたしはながく、わたしのお城を運営してきました。
お城、といいましても、重厚な石造りとかではありません。
あくまで『お城』は自称であって、たぶん『部屋』くらいが妥当。
たぶん平屋。こぢんまり極まりない、きのこみたいな一戸建て。
それでもわたしにとっては宝物のようなお城でした。
かけがえのない、わたしだけのお城でした。
だって、わたしが初めて得た、『自由にできる場所』だったのです。
一人で思うままに飾っても並べても誰にもばかにされない場所。
壁紙は好きなものを選べたし、完成させたお話は家具でした。
パフェ用のグラスにアイスとジャムとヨーグルトとチョコソースとオレンジとさくらんぼとショートケーキとプリンとカスタードとウエハースとザッハトルテと生クリームとワッフルと苺と桃とシャーベットとジャンドゥーヤとマカロンと芋けんぴとりんごのコンポート載ってたらアルティメット幸福でしょう?
すきなものだけを集め続けて、すきなものだけに囲まれ続けて。
その空間を支配するのはわたし。法はわたし。
だいすきでないわけがないではありませんか。
確かに、ぴくしぶさんや、ぷらいべったさんは、便利です。
実際、利用しておりますしね。けれど個人サイトとは全くの別物です。
あそこは、わたしにとってカプセルホテルです。
いくら快適であろうとも。
小さくて、不便で、ささやかなものであっても。
わたしはわたしのお城が良い。
のびのびと足を伸ばしてくつろげる。
誰にも気兼ねしない唯一無二の場所。
少し離れていても、いつでも帰ってゆける、わたしのはねやすめ。
たまに、お声を頂きましたもの。「まだあったんですね!」と。
もしかしたら揶揄も含まれていたのやもしれませんけれど。
わたしはのんきに「まだあるんですよ!」と笑っていました。
名実共に荒野の辺境。けれど、訪ねる人もある。
なくすつもりなどありませんでした。
まさか強制的に瓦解させられるとは思いもしませんでした。
さんざに個人サイトを嘲笑し続けた方々におかれましては――
衷心よりお喜び申し上げます。
あなたがたの呪いは見事に結実しました。
どうぞ、誇られてください。
「妖精なんかいない」と言うたびに、妖精が一人しんでゆく。
それにも似たもの。要らないものは、きえるだけです。
あと、三十日。
もう、年数も、ろくにおぼえてはいない、昔話を。
お久し振りでございます。もえぎでございます。
わたしのサイトが消えるまで、一ヶ月を切りました。
語り始めたら、それこそなかなか終わりそうにありませんので。
こうして、ブログに書いてみることに致しました。
小さなサイトです。ずっと、荒野の辺境を自称しておりました。
それでもわたしにとっては、お城でした。
大切な、ささやかな、わたしのお城。
その消滅。見届けようと思います。
個人サイトが過去の遺物と、嘲笑の対象になったのはいつからでしょう。
SNSが発達してからでしょうか。
まあ、そこらへんの年代特定にはさして興味はありません。
ただわたしは、そういった声がとてもいやでした。
そう仰る方々にとって個人サイトとはその程度のものだったやもですが。
あんまりいやすぎて幾度となく消そうかと思い、踏みとどまりました。
わたしはながく、わたしのお城を運営してきました。
お城、といいましても、重厚な石造りとかではありません。
あくまで『お城』は自称であって、たぶん『部屋』くらいが妥当。
たぶん平屋。こぢんまり極まりない、きのこみたいな一戸建て。
それでもわたしにとっては宝物のようなお城でした。
かけがえのない、わたしだけのお城でした。
だって、わたしが初めて得た、『自由にできる場所』だったのです。
一人で思うままに飾っても並べても誰にもばかにされない場所。
壁紙は好きなものを選べたし、完成させたお話は家具でした。
パフェ用のグラスにアイスとジャムとヨーグルトとチョコソースとオレンジとさくらんぼとショートケーキとプリンとカスタードとウエハースとザッハトルテと生クリームとワッフルと苺と桃とシャーベットとジャンドゥーヤとマカロンと芋けんぴとりんごのコンポート載ってたらアルティメット幸福でしょう?
すきなものだけを集め続けて、すきなものだけに囲まれ続けて。
その空間を支配するのはわたし。法はわたし。
だいすきでないわけがないではありませんか。
確かに、ぴくしぶさんや、ぷらいべったさんは、便利です。
実際、利用しておりますしね。けれど個人サイトとは全くの別物です。
あそこは、わたしにとってカプセルホテルです。
いくら快適であろうとも。
小さくて、不便で、ささやかなものであっても。
わたしはわたしのお城が良い。
のびのびと足を伸ばしてくつろげる。
誰にも気兼ねしない唯一無二の場所。
少し離れていても、いつでも帰ってゆける、わたしのはねやすめ。
たまに、お声を頂きましたもの。「まだあったんですね!」と。
もしかしたら揶揄も含まれていたのやもしれませんけれど。
わたしはのんきに「まだあるんですよ!」と笑っていました。
名実共に荒野の辺境。けれど、訪ねる人もある。
なくすつもりなどありませんでした。
まさか強制的に瓦解させられるとは思いもしませんでした。
さんざに個人サイトを嘲笑し続けた方々におかれましては――
衷心よりお喜び申し上げます。
あなたがたの呪いは見事に結実しました。
どうぞ、誇られてください。
「妖精なんかいない」と言うたびに、妖精が一人しんでゆく。
それにも似たもの。要らないものは、きえるだけです。
あと、三十日。
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