とまり木 常盤木 ごゆるりと
ひねもすのたのた
堂々巡りか、はたまたワルツか思考の迷路
唐突に押し寄せるゼルアメ愛で幸福ふくふく。
一挙放送の影響力、おそるべし。
最近どうにもこうにも疲れ気味で、割と息も絶え絶えだったのですが。
スレイヤーズ一挙放送のお陰で元気にひゃっはーとなりました。
具体的に申しますとゼルアメかわいすぎてじったんばったん。
色々と蘇りすぎてえらいこっちゃです。
けれど確か、わたしいくら好きでもスレイヤーズは書いていないはず。
でも小説は本編なら全巻今でも持ってるくらいすきです。
本棚整頓する機会は幾度もありましたが、手放しませんでした!
でもたぶん、ゲームは売っちゃった気がします……わあんごめん。
一挙放送で、思い出して、懐かしくて、読み返したくなってきました。
もう少し余裕ができたら、ちみちみ再読したいものです。
それにしても、ゼルアメ余波で日記が書けるくらい回復しています。
何なのこれは魔法なのあの二人自体がリカバリィなの。
またふらふらお話のことを考えています。
それにしてもわけわからん流れですね。でも最近いつもこうですね。
すっかり停滞している、習作百話を、いざ書こうとしたのですが。
まだ固まっていない、まだ書くのは早い、と進められていません。
これまでは、とにかく先に先に、早く書かなきゃ、だったのですが。
今回はわたし、人間が書きたいのです。人間を書いてみたいのです。
なのでもっと腰を据えて、がっちり考えて、練りこんで、構築して。
そうして完成した足場をもって、飛び上がりたいのです。
初めて、と言ってもよいくらい、『人間』を書きたいと思いました。
じゃあ今までは何だったんだ、と突っこまれそうですが。
確かに人間は書いています。けれど、メインではありません。
幹というか…主題というか、目的というか。そういうものではなくて。
自分でもきっちり把握しきっていないのですけれど。
どちらかといえば、情景を描こうとしていました。
例えば先日のFF5話。バッツを書いてはいます。
でもわたしが書く目的としたのは、リックスの村です。
もっといえばオルゴールです。更にいえば想い出のオルゴールです。
それを、文章にしたいと思っただけです。
登場人物はその過程で必要だった、悪くいうと道具です。
今までわたしは人間を殆ど、そういう風に書いてきた気がします……。
いやその、接触者対存在に関しては違うようにも思いますが。
あのふたりに関しては、本気で『ふたり』を描くことに専念でした。
そういう意味で、接触者対存在は特別なのでしょうね。
そういや、例外はもう一つあります。バハラグです。
バハラグのお話はわたしの中で、結構位置が特殊なのですよ。
書いたのはそこそこ昔のはずです。
で、普通、昔に書いたお話は色々とアレすぎて読むのがつらいのですが。
いえあの…腕が未熟だとか、語彙が貧弱とか……まあ今もですけれどね!
とにもかくにも、かなーり、拙くて、つらいのです。
ところがバハラグについては、それほど読み返してもダメージがきません。
人間を書いていないからなのですね。
最初から、ドラゴンを書く気しかないので。
ひたすらドラゴンに注力してドラゴンに全精力を傾けています。
……我ながら潔いほどの割りきりですね。
ドラゴン可愛いから…わたしの愛しいドラゴンたちほんま可愛いから……。
人間書くのを考えていないわたしが、ドラゴンに精魂をつぎこんで。
そうしてドラゴンを書き上げているから、すっきりおさまっています。
不純物抜きで、ドラゴンを描写することだけ考えていますから。
無理に人間を描かず、どこまでもドラゴンに全力。
だからこそ、文章の純度を高められたと申しますか……今読んでも平気。
特にレンダーバッフェのお話は、全ジャンル中でもトップクラスの満足度。
よく書けた、と思います。珍しく。
むしろあれより上手く書けるようになれるかしらと不安なくらい。
ここまで、つらつら書いておりますけれど。
正しいかどうかは分かりません。今更ですが。
ただ、そんな風に思うだけです。
まあ短くまとめますと、『人間』を書きたい。
『人間』というものを、きちんと意識して書きたい。
そう、考えだしています。
しかし。
それにしても、接触者対存在は色んなことを書かせてくれました。
いや、『書こうと思わせてくれた』のほうが正しいでしょうか。
雨の日。晴れの日。曇りの日。
お菓子。喧嘩。仲直り。甘いの。苦いの。肉弾戦。
ワガママ。手と手。血。赤。恋。
みんな、ふたりたちが、くれたもの。
だからこそわたしはふたりを書きたいと思い、ふたりを書いてきました。
たくさんのものをありがとう。それで今のわたしの文章があります。
そして今は。やっと、『人間』を書くことへ、辿り着けそうです。
どこまでもありがとう。わたしの大切なだいすきなおふたりさんたち。
彼の姿は数あれど、わたしはたぶん、ピアノの彼が一番好きです
人にすすめられてから、しんげきのきょじんが気になって気になって。
好奇心と恐怖心の狭間で揺れるアンビバレントなこの。
実はこっそり、すっごい途中からアニメ視聴をはじめました。
で、先日、初めて戦闘パートのある回をみたのですけれど。
見ていて咄嗟に息をのむくらいこわかったのですがどうしたら。
何あの絶望感。
こわいこわいとしりごみするわたしに、すすめてくれた言葉は。
「アニメのほうなら表現がマイルドですよ」
「映画見られるなら大丈夫ですよ!」
だったのです。が。
あれでマイルドなのですね…まいるどなひょうげんなのですね……。
げんさく……。
や、でも言われた通り、映画なら(多少は)耐えられるのです。
これまで見てきた映画に例えるなら、あれは、そうですねえ。
大きさ比較でいうと、王の帰還のオリファント戦みたいなものですか。
つまり敵全部オリファントのペレンノール野ですか。
ああそれはもう絶望しかありませんね。
敵全部オリファントで捕食の意思があってたまに知性ありとかそんな。
闇の森のしゃかりきエルフいないと勝機なさそうです。
うん、我ながらこの説明でちょっと納得ができました。
壁に囲まれてるという点でミナス・ティリスはイメージぴったりですし。
そういう認識でいきましょう、そういう理解でいきましょう……。
……こわいです。
元から極度のこわがりなので、よく友人が予防線を張ってくれるのです。
以前、バロックのPS2版が発売されると発表された時。
それまで触れていなかったため、購買意欲がむくむくした際も。
わたし「大好きな方がバロックお好きでね、熱い語りが素敵やったー」
友人「ああ、あの人な」
わたし「だから前から興味あったの。いい機会やし、やってみたい」
友人「やめ。」
わたし「え…でも、わたし、やりた……」
友人「やめとき。きみは、やめとき」
わたし「う、うん…わかった……」
友人「むしろきみはジルオールをやれと」
こういうことが幾度となく、ありました。
いつもありがとう友人。でもジルオールはしてません。
わたしの限界をよく理解してくれているがゆえの、信頼できる助言です。
だからしんげきのきょじんも、原作に挑む前に相談しようと思います。
ひとさまからは、自身で判断できないのか、と呆れられそうですけれど。
ほんと、怖いものへの耐性が極端に低いのですよ……。
うーんうーん、そうですね。こう言えば、ご理解頂けるでしょうか。
『ソイレント後は一週間ほどお肉が食べられなかった』、と。
あと夢にも出やすいたちなので! 警戒は怠れないのです。
そしてこんなわけわからん日記の後に、昨日のお話についてです。
解説とかではなく、書こうと思った理由みたいなものです。
たいしたことではありませんが、お話のネタバレになりますので。
続きにちょろりと隠しておきますね。
『うさぎの卵にさよならを』
唐突にですがFF5のお話です。
再プレイしていて、静かに驚いたことがあったもので……。
もうすぐ完成だー、と読み返し作業しつつ、昨日までは喜んでいました。
が。
今日になって最終読み直ししてましたら、急にだめに見えてきました。
何でしょう。書けてない。描けていない。
絵ではなく額縁に躍起になっている。
けれど今更軌道修正は不可だし、とぐるぐるした結果。
もうこれ以上粘るのは逆効果だと判断し、開き直って載せておきます。
何かもう色々と駄目ですね。
リックスの村。
遥かなる故郷。
数年ぶりに訪れたあの村で起きたイベントに、驚きました。
激しいものではありません。声にも出ないささやかなもの。
ただ、コントローラーを握ったまま、「あ」て、なりました。
そうするの。あなたは、そうするの、と思いました。
なので書いてみました。
まあ細かな言い訳はまた後日ということで。
第一世界、リックスの村での、光の四戦士のお話。
驚異的に喋らないバッツです。スコール並みに心の声ですよ!
ただ、うつくしいものをみたということ
わー気づいたらもうこんなに日が経ってます。
お話も日記も、一日でちゃちゃっと書けたら良いのですけれど。
ええぶつ森しなけりゃ良いんじゃというツッコミは禁止です。
ピラルクは釣らせてください…ドラドは釣らせてください……。
あとできればナポレオンフィッシュも釣らせてください……!
まあそれはさておくとして、時間の使い方が下手なのでしょうね。
もっと効率的に割り振れたら良いのですけれど。
あと体力のなさもあって、疲れるとすぐ眠くなりがちで。
最近は睡魔を追い払えるほど気力があるので助かりますが。
紐育という名の東京から帰って以来、書きたい気持ちが強いのです。
楽しいから、とか、喜びだから、とかではなく。
ただ書こうと思う。そんな意志があるだけです。
例によって例のごとく前置きが長くなりがちです。
だからすっぱり、美術館であった、とあることだけでも書いておこうかと。
そう、美術館。
三鷹にある、森に囲まれた、かの高名な美術館です。
それこそ建物全部含めて書き始めたら、感想なんて終わりはしません。
かつてゼノオンリ感想で数時間書いても会場に着かなかったわたしです。
入り口をくぐるまで、扉を開くまで、チケットを渡すまで……。
そこまできっちり書いてたら、干支が変わりそうです。
なので、際立って印象的だった、ある出来事だけを。
かの美術館には、ミニシアターがあります。
中央ホールを有する階にあるので、とても入りやすい位置です。
けれど、わたしが行った時間はやや混んでいて……。
もう少し空いてから行こうと、映画は後回しにしたのです。
お陰でたっぷり、館内を見て回ることができました。
心行くまで展示を満喫し、そろそろ歩き疲れだした頃
今ならどうかしらと思い、ミニシアターへ足を向けました。
すると、予想どんぴしゃで、かなり余裕のある状態でした。
ああこれなら安心と中へ入り、背の低い椅子にすとんと腰かけました。
こちらのミニシアターは「はじめてのえいが」がテーマなのですね。
勿論、後で知ったことですが。
真っ暗になる映画館は、小さな子にとっては、怖くさえある場所。
そんな恐怖感を取り除こうと、あらゆる工夫が凝らされていました。
低くて柔らかい椅子、彩り豊かな壁画。
潜水艦のように閉じる窓。最後まで明かりを残す月と太陽の照明。
全ては、小さい人が初めて出会う映画を、楽しめるように。
明かりのことは上映前に、係りのお姉さんの説明がありました。
にこにこ顔で前に立って、気分が悪くなったら…などについても。
上映される月替わりの作品も、短い中に丁寧な手仕事を凝縮した上質なもの。
素晴らしく、「はじめてのえいが」に相応しいもの。
とても誠実で、真摯で。けれど新たな試みに挑もうという気概も忘れず。
短いながらも、たっぷりとした満足感にふくふくと包まれます。
……まあ、一つだけ言うことがあるとしましたら。
わたしのすぐ後ろの席にいた若いお兄さん。
作品の内容に、いちいち嘲笑まじりの声でツッコミいれてた人。
何度かねじりきってやろうかと思いましたがまあそれはもういいです。
もう会うこともないでしょうし、ね。
今度やらかしやがったら無言でねじりきりますが。
上映終了後、感想を言い合いながらわいわいと出て行く人たち。
わたしもその流れに乗って、出口のほうへ向かっていたのですが。
出口の近く…と言いますか、客席の背後にあたる位置。
そこに上映用機材の入った部屋があります。
閉ざされてはいますが、大きな硝子窓があるので、中がよく見えます。
そういえばお姉さんも上映前説明で言っていました。
うろおぼえですが「よければ機械も見て行ってくださいね」みたいに。
先に館内の展示内容を見ていたこともあったのでしょう。
上映用の機材、フィルムに命を吹きこむものを、よく見たくって。
窓に近づいて、中を覗きこんでいました。
そしたら機材以外のものをみつけたのです。
小さな部屋の中、壁のあちこちに書かれた多くのサインとイラスト。
「あ。」と、なりました。
あれはウォレスとグルミット。
そっか前にアードマンの展示もしてはったそうやものね。
監督がお友達やそうやし。
こっちはカーズ…こっちはトイストーリー……ピクサーさん。なかよし。
あとは、あとは。
身を乗り出してみつけた名前に、目を見開いて。
ミッシェル・オスロ? ミッシェル・オスロ監督?
そうそうこちらの方ともなかよしでいらした!
わたしプリンス&プリンセスが好きで!
なのになんで代表作ともいえるキリクと魔女みてないのかしらね!?
その下にもまだお名前があるー! でも達筆な筆記体でよめないー!
イラストから判断つかないかしら…どなたかしら……。
窓にぺっとり両手をついて。
もしかしたら、おでこがひっつきそうなくらいだったのやもです。
まじまじと覗きこんでましたら、ふと声をかけられて。
あわわ入れ替え制の邪魔をしてしまったかもと内心慌てつつ振り返ると。
美術館の制服に身を包んだ、おひげも素敵なおじさま。
サインたくさんあるでしょう、と柔和な表情で。
すみません、覗いちゃってましたと言うと。
何気ない手つきで、扉を開けて。
えっ、と思っていると、ほらここに足をかけてと促され。
言われるまま、開いた扉を押さえる位置へ両足を。
さっきまでわたしと部屋を隔てていた扉を脇へやって。
シアターと部屋を区切る桟の真上に、わたしは立っていました。
身を乗り出すと、機材も、サインも、すぐそこ。
内側の世界。
肩に載っていた三つ編みが宙に浮く。
みつけたはりねずみの姿に、ある名前が閃いて。
あれはミッシェル・オスロ監督ですよね。
そう、宮崎さんは苦労した人が好きでね。
オスロ監督のお名前が見えて、ついて覗いてしまっていて。でも、その下のお名前がどなたか分からなくて。
ああ、あれはソ連の……。
ユーリ・ノルシュテインさん?
そうそう。
霧の中のハリネズミですね。
色んなものが繋がってゆく。
わたしがうつくしいな、と思っていたものが、繋がってゆく。
細い糸で結ばれた小さな豆電球が、一つ、一つ、灯ってゆくように。
いつしかそれらにぐるりと囲まれているような錯覚さえおぼえて。
遠く離れた場所から、うつくしいな、と眺めていたもの。
それが、こんな近くにあって。お互いに寄り添い合っていて。
本当なら近づけるはずもないうつくしいものがすぐそこにあって。
わたしなど手も届かないはずなのに。
触れることもできないはずのものに、呼吸さえ届きそうで。
なんだかむしょうに泣きたくなって。
お礼を言いながら涙が滲んでしまって笑ってしまって。
素敵なおひげがとってもお似合いの、おじさま。
少しだけご自身のお話もしてくださった。
定年退職したら宮崎さんに誘われてね。
このひげも、宮崎さんが言ってね。
わたしは、本来ならありえないようなご親切に、お礼を言うのが精いっぱい。
他のお客さんからうんと遅れて、シアターを出て。
出口すぐの、外へ向かう窓へ歩み寄って。
硝子越しに射しこんでくる、そろそろ落ちそうな夕方の光の中で。
ぐっと唇を噛んで、嗚咽をのみこんで、目元を拭いました。
物語がそこにありました。
夢中で猫の後を追った雫さんが、体も心も弾ませたように。
物語のはじまる時に立ち会うことができました。
後で気づいて、ちょっと笑ってしまったのは。
雫さんが物語と出会った場所は地球屋さん。
わたしが物語と出会った場所は土星座さん。
どちらも宇宙に関わるもの。
しかも、物語の導き手は、どちらもおひげの素敵なおじさまで。
ああ、あそこへ行けば、誰でも物語の主人公になれるのねと思い知りました。
ほんの少しに見えて、実はたっぷりな魔法で、あの中は満たされています。
その魔法はたぶん、ジェーン・エリザベスが父と探したのと同じ。
トロントのジェーン・エリザベスがランタン丘のジェーンになる切っ掛け。
新居を選ぶ最大の判断材料とした、魔法と同じもののはず。
魔法のかかった家があるとしたら、あそこは魔法のかかった美術館。
その魔法で肺の奥まで満たされてきました。
ですから。こんな。
こんな素敵なものをみせられたら、何か書かないではいられないでしょう?
誰にも知られず幕は上がり誰も気づかず映写機は回る
ピラルクに癒される日々の中へ、ジンベイザメも加入してくれました。
現時点における、わたしの二大癒し要素。
ありがとうピラルク、ありがとうジンベイザメ。
きみたちを釣り上げるたびに、陶然として胸が満たされます。
そして懐も満たされます。わたしの口座にご協力ありがとう。
これだけ見たら何のことだかですが、ええ村のことです。
うちの村はゆっくり発展なので、実に真実スローライフです。
やや意味が違う気がしますけれどね。ええ半分わざとです。
まったり村長ライフを気長に楽しんでおります。
そんなこんなしているうちに、紐育という名の東京へ行っておりました。
色々と書きたいこともあるので、忘れないうちに形へしないとです。
ただショウだけでなく、三鷹のあの美術館にも行っていたのです。
そこで。本当に。素敵なことがあったので。
何をさておいても、あのことを書かなければと考えています。
あの美術館は、館内での撮影が禁止で。
理由については、ご案内でも述べられていて。
『物語の主人公になるには、カメラを向けるのではなく、
この空間をご自分の目で見て、体で感じてください』
と、あります。
……まさに、その通りでした。
ばかなことを、と笑われてしまうやもしれませんけれど。
まるで物語のような出来事に遭遇しました。
あの瞬間だけ、わたしは、物語の真ん中に入ることを許されました。
何に一番近いって、地球屋さんに初めて入った雫さんにです。
本当に笑われるでしょうが、わたしはあの時、雫さんと同じでした。
『物語の始まる瞬間』に立ち会えたのです。
その時間が終わり、ふらりと場を離れた後。
思わず建物の隅で壁と向き合い、嗚咽をのみこんで、目元を拭ったくらい。
あんな時間を、あんな物語を、扉を、開いてくださって。
他にも素晴らしいものはたくさんありましたけれど。
もうあの体験だけで、何物にもかえがたい美しい何かを、頂けました。
なんて、美しい。
ほんのひととき、開かれた扉。
もう閉じてしまった扉。けれど今のわたしには十二分。
その世界を、わたしはそぉっと、僅かに、覗くことができました。
わたしは、わたしのなすべきことを。
わたしの指が語れることを。
わたしはわたしの物語を。
ねえ、雫さん。